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2025-05-02
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
何年も前から「AIは人間の知能を越える」という声をよく耳にしませんか? しかし、近年専門家の間では「AIの進化が止まる」と囁かれています。
それはなぜでしょうか? この記事では、その理由を「2026年問題」と「シンギュラリティ」ともに解説していきます。
ぜひ、この記事を通してAIの進化について考えてみましょう。
AIの発展の歴史とは?
AIの発展と聞くと、ここ十数年程度と思いがちですが、実はAIの発展は70年ほど前の1950年代後半から始まりました。
第一次人工知能ブーム(1950年後半〜1960年代)
コンピュータが明確なルールがある問題を解くことは実現しましたが、現実社会の複雑な問題(社会課題)は解けないことが明らかになるとブームは下火となり、AI研究は失速してしまいます。
第二次人工知能ブーム(1980年代〜1990年代)
始まりはAI研究から生まれた「エキスパートシステム」です。
エキスパートシステムの説明を身近なものに例えてみました。
・ECサイトにおける購入履歴に基づいた類似商品のレコメンド機能
・ニュースサイトを閲覧したとき、興味がありそうな記事を表示する機能
・ネット上において様々な診断を可能としている機能
第三次人工知能ブーム(2000年頃〜現在)
始まりは1997年にチェス専用スーパーコンピューターが、チェスの世界王者に勝利したによって「AIが初めて人類に勝った」として世界的に大きな注目を集めた頃からです。
特徴としては、機械学習の実用化とディープラーニングが挙げられます。
機械学習とは、ビッグデータ※を読み込んだAIがルールやパターンを発見し、それに沿った予測や判断をすることです。 ※ビッグデータ:「Volume(量)」「Variety(多様性)」「Velocity(速さ)」を示す「3Ⅴ」のレベルが高いデータ ディープラーニングとは、深層学習とも呼ばれ、車の自動運転技術や医療画像診断などに用いられています。
AIの「2026年問題」とは?
AIの2026年問題とは、LLMのトレーニングに必要な高品質なデータが、2026年には不足するとされていることです。
例えば、LLMとはChatGPTなどに用いられている技術のことです。
※LLM:LargeLanguageModelsの略称で大規模言語モデルとも現される 上記の問題が発生することによる弊害として、主に以下のものが挙げられます。
生成データの質が低下する
AIの学習には高品質なデータが大量に必要です。
しかし、AIの学習データが質・量ともに不十分だと、アウトプットのクオリティは低くなると懸念されています。 実際、スタンフォード大学は2023年にChatGPTの知能が急に低下したという研究結果を公開し、ChatGPTの計算能力(正答率)が数カ月の間に、約98%から約2%にまで低下したと発表しました。
非公開データが活用される懸念がある
現状、高品質なデータが使い果たされつつあるため、AI開発企業による非公開のデータや機密性の高いデータ、著作権のないデータの無断使用も懸念されています。 これについては、海外で訴訟問題に発展しており、OpenAI※は、複数の著者から著作権が侵害されたとして、訴訟を起こされています※OpenAI:ChatGPTの制作会社
AIの「2026年問題」と「シンギュラリティ」の関連性とは?
シンギュラリティ
シンギュラリティとは、AIが進化する過程で、「いずれは人間の知能を超えるときがくるのでは」と言われている転換点であるとされています。
2029年にAIが人間と同じレベルの知能を手に入れ、2045年にはシンギュラリティに達するとされており、これを「2045年問題」と呼んでいます。
2045年問題
2045年問題に関しては、人間とAIの良好な関係性を保つことができるといった楽観的な意見やAIが人間にとって有益な存在にならないという悲観的な意見、「AIには目標がない」として、シンギュラリティ自体が来ないなどといった意見があります。
ただ、「2026年問題」によってシンギュラリティが来ないのではないかと多くの専門家が述べているのが現状です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
この記事を読んだあなたはAIの進化が止まると考えますか? AIを活用し、依存しているといっても過言ではない現代人にとって進化が止まることは良いことなのか、悪いことなのかは人それぞれであると考えています。今後もAIの進化について、目が離せません。